FYC
                             

上田秋成「雨月物語」

7月から始まった「四つの幸せ塾」も早いもので四ヶ月目、第十四回を迎える事ができました。これもひとえに皆様方のご支援によるものと感謝いたします。

今回楽しく学んだのは上田秋成の「雨月物語」のうちで『菊花の約(ちぎり)』です。ご承知のように「雨月物語」は中国の白話小説の翻案が骨子となった一種の怪異譚。オーソドックスな古典を踏まえた、和文調の流麗な文章です。

いつも言うことですが、フィクションではテーマや内容以上に語り口や表現法が殊更に重要視されなくてはならない。この作品では取り分け「和語」の響きやリズムなどが大切で、大和言葉が持つ懐かしく、また床しい表現を十分に味わって頂きたい所。

タイトルの菊花とは九月九日の重陽の節句を意味し、その重陽の節句に因んだ麗しくも悲壮な友情を描いたエピソード。現実には「あり得ない」ことを、さもあるだろうと、得心させてしまう作者の手腕は見事としか言いようがありませんね。

日本語が本来持つ美しい調べに乗せなければ不可能なこと。日常生活で使う「有難い」言葉を大切にしたいもの、としみじみ感じるのもこの様な名文に接する時。如何でしょうか?



前のページへ戻る
さいたま市市民活動サポートセンター