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万葉集の恋の歌を楽しもう

9月に入って最初の、通算では10回目の「学びを楽しむ」では、『万葉集』を取り上げました。
 
天(あめ)を詠む  天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ (万葉集 巻第七 雑歌 1068)― この歌、出典が万葉集だという事実を隠して、例えば高校生などに示したとするなら、十人中の九人までが恐らくは作者を現代人、それも若者の作だと思うに違いないでしょう。 手垢が付きすぎていて、それゆえに陳腐すぎる常套的過ぎる比喩であり、ありふれた表現法だとまで言うかもしれませんね。

もう一首、今作る 斑(まだら)の衣 面影に われに思ほゆ いまだ着ねども(今作っているまだら染の衣は、出来栄えが目の前にありありと見える。まだ着てはみないけれど)(巻第七 1296) ―とても率直に自分の恋心を表現して好感が持てる歌。

この様に、既成観念や先入観さえ排除すれば現代の私たちにダイレクトに訴えかける力強さを有した、新鮮な歌が数多くありますよ。どうですか、考え方が違ってしまいましたか。とても結構です。



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