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ソクラテスの生き方に迫る

 第9回目の楽しい学び、ではソクラテスを取り上げました。容貌魁偉なこの中年男にかかると人を説得する術に長けたソフィスト(当時の知識人)たちも、まるで痺れエイに触れたかの様に手も脚も出ない、唯の木偶の坊のようになってしまった。

 当時人々の間で持て囃されていたのは雄弁術。それに対してこの不思議な男は只管真理を探究する手段としての「対話術」を芸も無く繰り広げるだけ。世間の皆が、広い世間を知れ、社会の様々の事象についての豊富な知識を獲得しろ、と獅子吼する中、風采の上がらない醜男は「汝自身を知れ」と美青年達に説いて回った。その手法は産婆術だと自称する。

 結局、裁判に掛けられ死罪の宣告を受ける。国外逃亡を懇請する友人達の親切を退け、自分が愛するポリスが私に死を望むのであれば、私は甘んじてそれを受け入れよう。悠揚迫らず自らの手で毒杯を仰ぐソクラテス。

 今日まで人類の師と尊敬されるのも尤もな事と、私などはただただ賛嘆するのみ。奇跡の人類と賞賛される古代ギリシャの哲人は一行の文書も残していませんが、彼の偉大さは人類が存続する限り語り伝えられるでありましょう。



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