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ロシアの文豪・トルストイの代表作「アンナ・カレニーナ」

7月30日(土)に第四回目の学びを楽しむは、ロシアの文豪・トルストイの代表作「アンナ・カレニーナ」を題材にしました。恋愛、結婚、家庭といった普遍的なテーマを扱い、文学作品としては完璧という折り紙つきの高い評価を得ている傑作です。
 
 エピグラフに「復讐は自分の領域に属する」といった意味合いの聖書からの引用句が掲げられています。自分とは神を指しています。人間が、自分の狭い了見から軽はずみに「あだ討ち・復讐」を行う事を禁じたもの。物語の主人公は人妻のアンナで、不倫に走った挙句に鉄道自殺をとげるのですから、「神の復讐」の対象はヒロインのアンナでありましょう。

 しかし、アンナのとったどの行為が復讐に値するのかは、一見するほどには簡単でない。何故なら、夫との結婚が形骸化した、対世間的な体面を繕うだけのそれで、「真実の愛」によって結び付けられたものでは、断じてないのです。そして、作者の筆は地位と社会的体面だけを後生大事に抱え込んでいる夫に、仮借ない筆誅を加えているのですから。
 
 そもそも、当時のロシアの貴族階級の社交界に代表される人間模様は、表面的な優美さとは裏腹な、虚飾と偽りに満ち満ちた堕落と腐敗のオン・パレード。不倫や浮気など日常茶飯の年中行事化した内実を示しています。トルストイの創り出した「理想の女性」が、何故に神の復讐の対象となったのかは、迂闊な読者には理解できない事なのですが……。



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